メタルマクベス

2006/06/15 - 8 Comments »

Message from NEMO

先日、松たか子さんの舞台を見に行ってきました。

シェイクスピアの原作「マクベス」を宮藤官九郎さんの脚色で、
ハードロック調に仕立てたもの。なので、「メタルマクベス」

metaru.jpg 

開演18:00 青山劇場

 

舞台中央にスクリーンが現れ、CGが映し出される。
生バンドが右後方からせりあがる。迫力の大音量。

ハードロック調の衣装に身を包んだ出演者たちが、次々に登場。
なかでも森山未來くんは光るものがあリました。

松さんも登場。
あいわらず、テキパキ、パワフル。
そのうえ、さっぱりしててキュート。

あいだの25分休憩を挟んで、約3時間。

 

台詞の節々に「クドカン節」炸裂でした。
以前、「大人計画」を一度見たことがあります。
熱心なファンの方がたくさんいて、笑うツボを心得ているのか、
みなさん同じ場所で笑っていましたが、僕は気後れして
一度も笑えなかった記憶があります。

今回も若干、その感がありましたが、松さんがナイフやら、
はさみやらを投げつけ、動物たちにヒットしていくシーンは
声を出して笑ってしまいました。

 

僕はお芝居が好きで、たまに見に行きます。

ステージの上に立つ表現者たちの立ち振る舞い、表情、間。
すべてが勉強になりますね。

立ち方ひとつで、堂々としているのか、落ち込んでいるのか、
嬉しいのか、悲しいのか、さまざまな感情をからだで表現していることに
感銘を受けます。
そして、それらすべてを演出し、脚本を書く人についても、
もの凄いことのように思えてなりません。

物語を0から考え、台詞、演者の立ち位置、小道具、音楽。
何から何まで、トータルプロデュースをしているわけです。
どんな頭しているんだろう?と不思議に思ってしまいます。

チーム090というちいさな劇団がありました。
(今は解散してしまったようですが)

彼らのお芝居が好きで、何度か見に行くうちに、
その脚本を書かれている方とお知り合いになり、
ふたりで飲みに行く機会がありました。

そこで、
「○○さん、どうやって物語を作っていくのですか?すごいことですよね?」

とその時は、ただただ、いち観客としての無邪気な疑問を投げかけて
しまいました。頭の中をパカッとあけて、覗いてみたい感覚。
まったく未知の世界のことを少しでも知りたいと思っていました。

すると、

「ネモさんこそ、どうやって0から音楽作っているんですか?すごいですよね?」

「あ…。」

 

そういえば、僕も他人から見れば、そういうすごいことに映るのか。

でも、自分の事に関しては、ちっとも特別なことをしているなどと
は思っていないわけで。おそらくその脚本家の彼も同じく、
自分のことはさておき、僕の頭のほうこそを不思議と思い、
パカッとあけてみたかったのだと思います。
「隣の芝生は青い」的なことなのかもしれませんね。

「いや、思うままに…なんていうか、作っていくって感じで」

と、お互いがそんなことを言いあって、「いやいや、そちらこそ~」
と謙遜しあったりして、話がそれ以上進みませんでした(笑)

 

そんなこともありましたが、今でも僕は、舞台を作り上げるすべての工程に
深い感銘を受けてしまいます。

今回のお芝居でも、カードを首から下げた大勢のスタッフさん。
舞台のセットを作り上げた方。何十パターンもの照明をプログラミングした方。
バンドがせりあがる装置を組み立てた方。効果音を役者さんの動きに
合わせて出している方。人数の問題ではなく、いろいろな工程を
ひとつひとつ作り上げていき、ひとつの舞台が完成してゆくという、
当然のことでありながら凄いこと。それを感じずにはいられませんでした。

そして、そのうえで、メインとなる演者の方々が観客を素晴らしい世界へと
引き込んでゆく。

 

 

 

「いや~、お芝居って、ほんとうにいいもんですね」

 

 

 

では。





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8 Comments

きの子 Writes:

え~~~!
お芝居好きだったのですか?! そっかぁ~。(←意味不明。)
ワタクシもとても好きで、というわりにあまりヒンパンには観にはゆけないのですが、独特の空気感に触れたくて今までいろいろ観てきました。
たしかに、あれこれ触発されるものがあります。ネモ殿にとってもお芝居って、「勉強にな」る存在だったりするのですねぇ。ジャンルが違っていても感性が触れ合う部分って、たしかにあるようですね☆
う~ん、
ワタクシも歌は作れませんので(音楽の授業の創作の課題にはほとほと参りました…)ことばを音楽にのせてあんなに心に響いてくる歌を作ったり弾いたり歌ったりしてしまうネモ殿のすべてが「?」です。
すごいんですってば!!!

ノリコ Writes:

クドカン作品は楽しくて大好きです。最近は阿部サダヲをやたらドラマで見かけますね。
ネモくんもほんとにスゴい人ですよ。曲を作るって作業はあたしには考えられないから。そのうえ歌詞も浮かんでこないし、ギターも弾けない。。。
人の心を動かす曲を創ることができるネモくんを、いつも尊敬しています!

Writes:

水野晴郎ですかw

くりぞう Writes:

私も、先日行きましたよ~!
すごい迫力でしたよね。立見でしたが、疲れる事なく鑑賞できました。

私も森山未來くんのダンスや、松さんや内野さんの迫力の演技に感動しました。

何かを創り出す人は、ステキですね~。

気がついたら33 Writes:

「頭の中をパカッとあけて覗いてみたい」
あります あります そういうとき
描写がうかんでニヤッとしちゃいました

全然関係ないけど私は花粉症の季節に鼻をパカッとあけて洗いたいです
(^ヮ^)

Tomo Writes:

ネモくん、こんにちは。
お芝居ですか~。いいですね。
人に夢や感動を与えられる舞台や音楽の仕事。
そういう仕事って誰にでもできるものじゃないと思うので、
そういう才能を持っているということは本当に
素晴らしいことだと。
私もそういう才能ある人たちから、たっくさん感動を
もらいながら、心豊かに生きていきたいです。
ネモくんの音楽と出会えたことは、ちょっぴり
私の自慢だったりしますよ。

さくら Writes:

私からみると、お芝居を作る人もネモくんのように歌をつくる人も、すごすぎです!
どうやってあんなに素敵につくれるんだろうと不思議。

表現者のナホ Writes:

いいなぁ(TT)私はチケットが取れなくて見にいけなかったのです(泣)

NEMOくんの感性の鋭さって半端じゃないのですね・・・自分で「表現者の」って名乗るのが恥ずかしくなってしまいました(–;)