５月３１日に下北沢でライブがあった。

その日のことを少々書こうと思う。

 

会場のライブハウスQueの集合は１５時３０分。
歯も磨いたし、ピックも持った。
さあ、出かけよう。と玄関を開けようとしたとき、

「あ、しゃべー（やばい）。ギター直さなきゃ！！！！」

俺のギター、ご存知フェンダージャパン・ムスタング
（通称「ムー」）が、ご機嫌斜めだったことを思い出した。

前日、いつものようにムーの弦を張り替えていたら、
異変に気がついたのだ。

「あれ？ネジがねえ」

ピックアップ（音を拾う部分）というのがギターにはあって、その物体は
その両端についているネジを回す事によって、上下する仕組みになっている。
詳しくはわからないが、ピックアップを上下することによって、弦に近づけたり、
遠のけたりして、音の調整をするのだ。

 

そのネジが１つなくなっていた・・・。

 

ぽっかりとネジ穴が開いていて、そのネジをなくした側のピックアップは、
ぺコンと元気をなくしたようにへこみ、可能な限り弦から遠のいていた。

おそらく、リハーサルが激しすぎて、そこで落としてしまったのだろう。

「明日、楽器屋さんへ寄ってから会場に行こう！」なんて
昨日思っていたのに、すっかり忘れていたのだ。

 

時刻はもう、普通に集合時間に間に合うギリギリの時間になっていた。
急いで、バイクにまたがり、近所の小さな楽器屋さんへ。

 

そこで、たくさんのネジを出してきてくれたが、ひとっつも合うネジがなかった。
「うちにはないです」と、申し訳なさそうにしている店員さんにワリイな～なんて
思ったから、無理やり四角電池を買ってみたりして、とにかく一度家に戻ることにした。
 

家に戻って、違うギターを持っていこう！と思ったのだ。

 

（ここで、「ギターが壊れたので、ちょっと遅れます」と、
メンバーにメールをした。）

 

しかし、家に着くと、ある思いが頭をよぎった。
「リハーサルと違うギターを持っていったら、リハーサルの意味が無いじゃないか。
いきなり違う音を出したら、メンバーにも悪いしな」

 

そこで、もしかしたら違うギターのネジが合うかもしれない！と、
移植手術の方向に転換することにした。

もう、かなりテンパっていたし、ロンパっていたので、
何を思ったか俺は、家にある「ベース」のネジを移植し始めた。

 

ここで、ミラクルが起こった。
そのベースのネジがピッタリはまったのだ！

ネジを回してゆくと、次第に元気の無かった
ピックアップがグイグイ起き上がってきた。

やったー！！！

 

・・・・・あれ？

 

ネジは７割ほど埋まったところで止まってしまった。

 

な、な、長すぎる。

 

だいぶネジは出っ張った状態だった。

 

でも、ピックアップの位置は正常に戻ったし、
これ以上遅刻できない！ってことで、そのまま会場へ向かった。

 

というわけで、

 

ムーの現状。

（けっこう、でちゃってる）

 

会場に着くと、メンバーに

「ギター壊れたんすか？」と言われ、

「そうなんだよ！大変だったよ！」と答えると、

「そんなんで遅刻したっすか？別に、壊れててもいいし！なんならなくてもいいっす。」

と言われた。笑。

 

「ギターが壊れたから遅刻」という、ミュージシャンなら
大変かつ、まともな理由が、爆音ネモトラチームには
そんなにたいした効力が無い。笑。

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