地震と3月24日ライブについて

2011/03/21 - 3 Comments »

Message from NEMO

みなさん、こんにちは。

東京は小雨が降っています。
3連休の人も、そうで無い人もいかがお過ごしでしょうか。

先日の東北地方太平洋沖地震において、失われた命、失われようとしている命、
そこに寄り添っている方々のことを思うと、息もできないほどに胸が詰まります。

大変多くの方の命が失われたことに、心からお悔やみ申し上げます。
また被災されました皆様には、心からお見舞い申し上げます。

俺のような学の無い人間はおろか、各専門家の想像をはるかに超えて、
甚大な被害を及ぼした地震そして津波。
誰もが、日本中が、混乱する中で、救助・救援活動をなさる方々、
電気、ガス、水道、交通、物流などの復旧作業に当たる方々、
何より希望を失わずに、協力し合い助け合っている被災者の皆様を、
本当に尊敬します。

地震発生時に、俺は地元横浜にいました。
今まで経験したことの無い揺れに、しんから恐怖を覚えました。
幸運なことに、交通の混乱が大きくなる前に家族と合流でき、
そして本当に幸運なことに、人も家も無事であることが確認できました。

ほとんどはその日のうちに、
通信の不便がありなかなか連絡のつかなかった東北地方の友人とも、
数日のうちに無事が確認できました。
友人や家族のすぐ隣で、多くの命が失われてしまっている事を思うと、
本当に辛いですが、無事でいてくれたことはとても嬉しかったです。

東京や横浜でも亡くなった方がいました。
交通は麻痺し、電力供給や物流の問題で生活は混乱し、
日々明らかになる被害の大きさに皆、胸を締め付けられています。

誰かが、日本人の心全体が被災していると言っていました。
そう思います。
日本人だけでなく、世界の多くの人々が共に傷つき、そして励ましてくれています。

経済や産業においても多くのダメージが出ています。
ただでさえ不況と言われていた中で、これから日本は、生活はどうなっていくのか。

このような状況の中で、自分自身はなにができるのだろうか。

直接に傷ついた人や物を、癒し、直すことはできなくても、
何か自分のできることをしなければ。皆がそう思ったと思います。

被災したから、弱者で、被災していないから強者なのではなく、
同じく尊い命だから、我々は等しく助けあうべきなのだと思います。

自分は今回の震災を受けて、
ある部分では、人生観がさらにシンプルにそぎ落とされたように思います。

大切な人、もの、こと。

増大する首都圏の電力需要に応えてきた
原子力発電所における今回の事態でもそうです。

限りなくあるもののように思って、膨れ上がっていったもの。
失って気付くこと。
無くなったものから、得るもの。
省みる自分自身のこと。

俺は、少なからぬ時間を生きてきて、自分自身の無力さを知っているつもりです。

そして、少なからぬ時間を音楽というものに費やしてきて、
その素晴らしさも、そしてその無力さも多少は知っているつもりです。

いま改めて、より強く感じています。

命には代えられないけど(行為者にとっては命そのものであることはありますが)、
命を助長するものにはなりうるもの。
それが音楽だと思います。

命にかかわる事態が起こっている中、
音楽だけでなく、このような付加的な業種に従事している人たちは
大きな葛藤を抱えているかもしれません。

少なくとも俺自身、今自分のいる場所、思うことと実際にできることのギャップ、
能力の中途半端さをとても情けなく思っています。

命にかかわる事に対して、
我々は何をしていけばいいのか。
ロックンロールも大事だが、命あってのロックンロールです。

軒並みライブイベントが中止になる中、
我々ネモトラボルタも直近のライブについて検討を続けてきました。

そして今週の木曜日3月24日下北沢club Queで予定されていました、
ライブイベントに関してお知らせいたします。

メンバー及び関係者との話し合いを重ねた結果、
3月21日現在、イベントを行う事にしました。

被災者の方々、余震、原発、節電…
何より会場におけるお客様の安全面のことを考えると、
メンバーの中でもはっきりと考えがわかれ、中止にするべきともなりました。

音楽で何かができる。
それは間違いではありませんが、
その想いが過信やエゴにならぬよう、
慎重に、地震発生日から毎日毎日一人ひとりが考え、話し合いをしました。

そして、ライブを行うことにしました。

今できることのひとつは、経済活動です。
ミュージシャンもライブハウスもひとつの職種であり、
ライブもその一環であります。

それから、募金活動もひとつです。
お金のことを言われると、音楽バカの甲斐性なしの俺一人では微々たるもので…はは。
しかし元気で今日食べるものに飢えているわけではありません。
なので自分も微力ながら、そしてみなさんの力も借りて、
少しでもまとまった義援金を集められたらと思い、今回ライブ会場でも募金箱を設置いたします。
すでに多くの方が募金なさっていると思います、
会場にお越しいただけた方には、ご無理のない範囲でのご協力をお願いいたします。

そして最後に、
今ある環境の中で、自分たちができる音楽です。
ネモトラのライブは会場やブログでも言ってきていますが、
お客さんにすかっと楽しんで、元気になってもらうことを目標に毎回やってきました。

今俺たちが伝えることのできる範囲で、触れることのできる範囲で、
不安に包まれている人がいたら、その気持ちの和らぐ場を、
明日を頑張るための元気の足しになることができたら。
今まで同様に笑顔で会うことができたら。
そう思っています。

今は音楽を聴く気になれない、家族といたい、家から出たくない、物理的に行けない。
すべて正しいと思います。
今一番、心が穏やかでいられるところにいて下さい。

今、これる方、来たいと思って下さった方、心から嬉しいです。
ありがとうございます。
しかし余震や停電、原発の問題など、不測の事態が多々起こりえる現状、
いらしていただくことは安全とは言い切れない状況であります。
本当に申し訳ないのですが、我々が皆様の身の安全を保障することはできません。
どうか無理をすることなく、行動してください。
ご自分の安全を第一に、自己の判断においていらしてくだい。

不測の事態や、節電に配慮した公演とすることから、
予定とは若干構成が異なることがあります。また今後中止になることがあります。
ニコラス・ケイの安全に配慮して、マラソンは今回は見送らせていただきます。

しかし、やるからにはネモトラはメンバー一丸全力でやります。
悲しみも、喜びも、葛藤も、ユーモアも、そして命も。
実は今までも、これからも、いつでもあったものです。
そのことに改めて感謝しながら、抱えながら、粛々と、全力でやります。

地震以来、また早く顔を見たい。会いたいと思った人いませんか?
俺はいます。

皆さんに会場でお会いできることを楽しみにしています。

一人でも多くの命が救われ、一日でも早く多くの笑顔が戻ることを願っています。

ネモ

2011年3月24日(木)@下北沢club Que

ネモトラボルタ企画
「ネモトラの乱~ニコラス、走ります~(今回は走りません)」

open:18:30
start: 19:00

前売/当日:¥2,300/¥2,500[D別:1Drink¥500]

出演:ダイナマイト☆ナオキ/無限放送
/フジヤマレコード[黒岩トキオex.シナトラ×ドカンズ]

チケット予約は、こちらからも承ります。
↓↓↓
http://www.worldapart.co.jp/nemotroubolter/yoyaku/





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3 Comments

RT from Sendai  Writes:

ネモトラが人々を元気にしてくれ!!!
赤倉最高だったので、今回のイベント行きたかったです!!

yosi Writes:

私も付加的な業種に携わる中、今これをやって何か意味があるのかななんて葛藤する毎日です。でも今働ける人が働いて消費できる人が消費することは、それが義援金とか税収とかのかたちで、復興に役立つんだと信じてがんばろうと思います。
それに、もっとダイレクトにネモさんのライブで元気づけられる人がたくさんいると思います。それで元気の輪が広がってけばいいなって思います。
私は仕事で行けなさそうですが、楽しいライブにして下さい!何か上手く言えないですが…とにかく応援してます!

やすこ Writes:

NEMOさん、こんにちは。
まずは、ネモトラボルタのメンバーの皆さん、
ご無事でいらして、心から嬉しく思っております。
私やいつもネモトラボルタのライブで一緒の友人も、
特に被害も無く無事でいます。

震災などで、心を痛め辛い思いをしている方が、
とてもたくさん、いらっしゃると思います。
東京や神奈川も、余震や計画停電で、
これからどうなってしまうんだろうか、
と、暗い事を考えがちになってしまう、
不安な日々が続いていますね。

しかし、関東の一部や西日本の辺りは、
今のところ、特に大きな被害も無く、
日常の中に不便な事があったりもしますが、
被災地の方々よりも、
遥かに恵まれた状況で日常生活を送っていると、私は感じています。
まだ辛く悲しいと思う事も多々ありますが、
今はとにかく、自分が出来る範囲で、
自分が出来る事を悔いのないように精一杯やって、
僅かずつでも、明るい日々を取り戻せればと願っています。

今現在、このような状況の中で、
ライブをやると決断をされるまでには、
様々な葛藤やご苦労等があったかと思います。
NEMOさん、KEIさん、みんさん、ハル.さん、
今回の決断、本当にありがとうございます。
笑顔で皆さんお会い出来る日を楽しみにしております。
では、長々と失礼致しました。